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ついに私の温泉シリーズも第3回となりました。さがの温泉「天山の湯」嵐山温泉「風風の湯」に引き続いて、今回は京都市左京区の白川の上流にあります京都ではとても珍しいラジウム温泉「不動温泉」を訪ねてみました。
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「不動温泉」の基本的な情報
それでは北白川「不動温泉」の基本的な情報についてご紹介したいと思います。
北白川温泉「不動温泉」ってどこにあるの?
不動温泉は京都市左京区北白川地蔵谷町にある温泉です。三条京阪駅の地上から比叡平行きのバスに乗ります。バスは一時間に一本しかないので時間は時刻表などで必ず確認してくださいね。
京都駅からの比叡山行きのバスに乗っていく方法もあるのですが、12月~3月の冬季は運行されてません。また、白川通・今出川通の交差点から無料のシャトルバスがありますが、10時半からの1本のみ、なんらかの理由で遅れてしまうことを考えたら、三条京阪からのバスに乗るのが一番安心でしょう。
三条京阪を出たバスは東山や百万遍、聖護院、銀閣寺通りなどを通って、山の中へ入って行きます。山道をどんどんを進んでいきますが、あっという間に温泉に着きます。バス停の名前は地蔵谷です。三条京阪からたった230円でこんな情緒のある場所に連れて行ってもらえるなんて驚きでした。
《アクセス》
住所: 〒606-8294 京都府京都市左京区北白川地蔵谷町1−244
電話番号:075-781-5480
075-781-5480
営業時間や料金など
営業時間:午前10時から午後19時
定休日:木曜日(ただし、ゴールデンウィークなどの木曜には営業することもあるそうです、ホームページや電話などで確認してください)
入湯料:大人1300円(入湯税を含みます) 子供600円(3歳から小学生まで)
駐車場:不動温泉の施設の前に駐車して下さい。
入湯料は1300円と今までの温泉に比べて少しお高い感じがしましたが、休憩室では一日中のんびりできるし、温泉には何度も入れるし、食事してお腹いっぱいになったら昼寝して、起きたら温泉に入って、上がったらお酒を飲んだりして、こんなとこで1日居られたら心の底からのんびりできそうです。
不動温泉ってどんな温泉?
不動温泉の由来や泉質についてご紹介したいと思います。
不動温泉はどうやって見つかったの?
不動温泉は1954年に北白川不動院というお寺の境内の工事をしてる時に花崗岩から湧き出す鉱泉が偶然発見されました。なので、今でも温泉は境内の中にあり、入り口は不動院と同じ朱色の手すりが付いた階段を登っていきます。
そこから、さらに左に登っていくと不動院、登らずに右に曲がると不動温泉です。花崗岩から湧き出した鉱泉で怪我をした人が傷を洗ってみると、治りが早かったとのことから、その水は「おたすけ水」と呼ばれていて、不動温泉を訪れた人は外にある石の鉢から自由に汲むことができます。
私が行った時にも車で温泉に来られた方がタンクなどを用意されて好きなだけ「おたすけ水」を汲んでおられました。
泉質・効能は?
京都には珍しい天然ラジウム鉱泉です。ラジウム鉱泉はラドン元素とトロン元素を一定量以上含んでて、鉱泉が地表に湧き出てくる間にで放射性のウランやトリウムを多く含む岩石を通ってくることで、これらの物質に関連するラジウムやラドンを溶かしこみながら、湧き出してきます。
ラドンやトロンは、イオン化作用(生体活性作用)が強い物質なので、それが体の中に取り込まれる際に、血液や細胞に作用して新陳代謝を促したり、神経痛などの病気に対しても効果があると言われています。
効能としては、肩こり、胃腸病、肝臓病、手術後の痛み、冷え性、痔疾、痛風、神経痛、リウマチ、自律神経、胃腸病、花粉症など。その他、飲用と併用することで糖尿病や、肌の美容、健康維持にも効能を発揮します。源泉は軟水で飲用にも適していて、とても美味しい水です。
浴室の中に広がった蒸気にも効能があるらしく、室内に蒸気を閉じ込めたいので露天風呂はないんです、と温泉の女将さんの温泉の説明もありました。浴槽は一つでしたが温度は熱すぎず、ぬるすぎず、私好みの温度でした。少し入っただけで汗ばむくらいにほかほかして、とても気持ちよく入れました。
休憩所のご紹介
今までの日帰り温泉施設と違って受付など玄関にはなくて、どうしようかとキョロキョロしていたら、女将さんが中から出てきてくれてはつらつとした明るい声で「初めてですか?」と声をかけてくださいました。昭和の風情佇むレトロな外観に圧倒されてましたので、そうやって話しかけてくださったのがとても嬉しかったです。
まずは休憩所で温泉の説明をしますねと言われて、休憩室に通してもらいました。
休憩室はどんなところ?
休憩室はかなり広くてそしてやはりいい感じにレトロ。四角い小さなちゃぶ台が何個も並んでて、女将さんから今日1日はここがあなたの場所ですよと一つのちゃぶ台を示されました。ちゃぶ台の前に座るとすぐにお茶が用意されてきました、お茶にはおたすけ水が使われているそうで、とてもまろやかで口当たりの良いお茶でした。お茶を飲んでいると枕と毛布も用意されて、「1日ゆっくりしてくださいね。」と女将さん、まるで故郷に帰ってきたような気持ちになりました。そして、私の好きな漫画もありました。今回は食事をして温泉に入っただけで帰りましたが、次回はもっと時間に余裕を持って訪れたいです。
食事のご紹介
食事もこの温泉施設の自慢だそうで、お茶と同じく、全て「おたすけ水」を使って調理してあります。
メニューはどんなものがあるの?
そうめんやうどん、丼物などの軽いものからお造り定食やうなぎ定食、だしまきや焼きナスなどの酒の肴にぜんざいなどの甘味まで種類が豊富です。
ちなみに私は鍋焼きうどんを注文しました。そのお出汁のおいしかったこと。干し椎茸や昆布のお出汁が効いたとっても贅沢な味がしました。
私が注文した後、そのなんとも言えない良い香りが周りのお客さんの食欲を刺激したのかどうかはわかりませんが、何故かみなさん鍋焼きうどんを注文されてましたよ。
北白川不動院って?
ところで、この温泉施設は先述しましたように北白川「不動院」の境内にあります。その北白川不動さんとはどんなお寺なのでしょうか?
不動院の由来
今から約200年前の江戸時代完政四年に京都御所の東北になるこの地に鬼門除けとして、そして都から近江に抜ける山中越えの道として古くから旅を人々の往来があったということで、旅の安全を願って、沙門宗鏡法師が不動明王尊像を安置されたのがこの不動院の縁起だそうです。
現在は醍醐寺を総本山とする真言宗醍醐派(真言密教と修験道の教えに基づいた宗派)のお寺で、春と秋の年に二回に大祭として、燃え盛る護摩木の上を修験者が歩くという荒業の火渡りが行われます。
護摩の火によってけがれ、心の迷い、煩悩を焼き払えると言われています。私が訪れた2月にも星祭による開運厄除護摩供がありました。不動温泉とセットで、年中行事を訪ねてみるのもいいかもしれません。
詳しい年中行事は不動院の公式サイトに掲載されてありますのでご参考にしてください。
公式サイト:京都のラジウム温泉 不動温泉
不動院の境内
温泉の方に行かず左に曲がって階段の少し上がった護摩供をする広場の奥には石で掘られた不動明王尊像を見ることができます。そこから右にあるさらに古くてきつい階段を登り奥の院まで行きますと小さな祠がありました。
おたすけ水のある方の崖にも石仏が祀られており、昔からこの地で旅するものの安全を守り続けていたのだなと、感慨深いものがありました。
途中下車おすすめスポット
温泉へのバスは京都の大人気観光スポットを通っていきますので途中下車するなどして、散策やカフェなどを楽しむのもいいと思います。その中でも今回立ち寄ったオススメスポットをご紹介します。
古川町商店街
今回の帰りは途中の東山で降りて、古川町商店街を散策しました。丁度、春のランタン祭が開催中で、とてもカラフルで綺麗なランタンを見ながら歩くことができました。
商店街の中にはごはん屋さんやゲストハウス、最近では「EL PUENTE COFFEE LABORATORY」というコーヒーが飲める店舗もできて、ますます人気の商店街になりそうです。
まとめ
冒頭の方でも書きましたが、ここは本当に京都市内なの?と思えるほどの秘境でした。少し大げさかもしれませんが、町からあっという間に山奥にワープした!といった感覚で、道中のバスから見る車窓がとても楽しいです。
東山以外にも京都市美術館や哲学の道の近くも通っていきますので、観光バス気分で見応えもありますよ。こんな短い道中の中に都会もあり寺社仏閣もあり秘境もありと京都の奥深さを感じさせてくれる今回の小さな旅でした。
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